LIFE STREAM White1
女は古代種だった。だから、ライフストリームの中でも自分を維持することができた。望めばいつでも星の一部になることは可能だったが、女はそれを求めるのはまだ早いと思っていた。
女は星を巡るライフストリームの中に異質な存在を感じていた。けっして星と交わろうとはしない強固な意志の力だった。女はその意志を知っていた。自分の命を奪った男。美しい容姿に秘められた無慈悲な精神。その精神がライフストリームの中で活動をしている。女は、男が地上に影響を及ぼそうと
接触するのは危険だったので、女は男の意識から遠ざかるようにしていた。そのせいで、男の思惑を詳しく知ることはできなかった。しかし一度だけ、不意に近くに現れた男の精神から、男がクラウドの記憶を、その核としていることを知った。
クラウドは女の友人であり、恋人であり──大切なものの象徴であり、守るべき存在だった。